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更新日 : 2007年02月13日

浪人生のいない国、アメリカ

私は、35歳のときからアメリカに8年、家族は15年暮らしていました。
そのとき感じたことに、まず、アメリカには大学入試がない。だから浪人生もいないという現状です。
しかし、誰もがハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)に入学できるというわけではありません。
アメリカの大学に入るために必要なのは、まず高校の成績表です。それから、日本のセンター試験のようなSAT(大学進学適正試験)というものが年に数回ありますのでその結果。それに、担任の先生や部活の顧問の先生などが書いた推薦状がきわめて重要なポイントを占めます。ボランティアや仕事、おけいこ、夏休みなどの活動、学校外の活動を書いたもの、学校によっては小論文を提出します。
スポーツ、部活、リーダーシップ力に長けている、ボランティアを熱心に行っている、などといった人間全体を評価して受け入れるので、成績だけがよくても入りたい大学に受け入れてもらえるわけではありません。
ただし、こうした提出物を出せば、大学はかなりの数ありますので、どこかには入れます。
とにかく入学して、その後、努力をすれば、希望の大学に転入するトランスファーが日常的に行われていますので、ステップアップできる制度になっています。
日本では、入学試験がすべてです。
在学中にどんなに成績がよくても、当日高熱で成績がとれなければダメ。もちろん、ボランティアや学外活動に真剣に取り組んでいても、評価される仕組みがありません。ですから、少しでも学力での差をつけるために入学試験問題がひねったものだったり、重箱の隅をつつくようなものだったりします。その問題をとくためのテクニックを取得しない限り、その大学には入れないのです。ですから、ノウハウを教えてくれる塾の存在が欠かせません。
 
多感な高校時代、人間として大切な夢や志を持つこと、好きなことを見つけること、たくさんの仲間と一緒に何かを成し遂げること、見聞を広めること、そうしたことを味わってほしい。生きる力を身につけることが何より重要なはずなのに、こうしたことをいくら極めても、まったく大学入試では評価してくれないのです。
日本もエネルギーや情熱、やる気が育つような、そしてそれを認めるような社会だといいですよね。

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