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更新日 : 2009年08月31日

心のゆとり

去年からタクシーの後部座席のシートベルトが義務化になり、
安全のために閉めるのが当たり前となってきましたが、
タクシーに乗り込むと急に
「シートベルトをお閉めください」とアナウンスが流れ出してびっくりすることがあります。
企業社会の中では、内部統制報告制度、コンプライアンス制度など、
問題が起こらないようにするための取り締まりが厳しくなり、
もちろん正しいことではあるのだけれど何かと細かい決まりがたくさんできています。
ある程度の厳しさが必要なのは当然ですが、
もしかすると、厳しくしすぎると、伸びやかさが失われてしまうかもしれない。
一人ひとりの個性や特徴がなくなって、
ともすると「ゆとり」が少なくなるような気がします。
車のハンドルには安全のための「遊び」があります。
信号機には、注意を促すための中間である「黄色」があります。
そんなふうに、心のゆとりを持てる社会であれば、
お互いを尊重し、目上を敬い、信頼しあうことができ、
皆の団結がもっともっと強くなるのではないかなと思います。
僕の好きな詩を一つご紹介します。
「祝婚歌」(抜粋) 
(出典『二人で睦まじくいるためには』吉野弘著 童話屋刊)
 二人が睦まじくいるためには
 愚かでいるほうがいい
 立派すぎないほうがいい
 立派すぎることは
 長持ちしないことだと気付いているほうがいい
 完璧をめざさないほうがいい 
 完璧なんて不自然なことだと
 うそぶいているほうがいい
 二人のうちどちらかが
 ふざけているほうがいい
 ずっこけているほうがいい
 互いに非難することがあっても
 非難できる資格が自分にあったかどうか
 あとで
 疑わしくなるほうがいい
 正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい
 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気付いている方がいい
       
(著者にご許可を頂いて、掲載しています)

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