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更新日 : 2010年03月12日

『これから「働き方」はどうなるのか』

竹中平蔵・南部靖之共編 PHP研究所(2010年3月12日)

「働くとは何か」「これからの働き方」について、それぞれの立場で活躍される有識者の皆様のご意見とあわせて私の思いを書きました。また、パソナグループ会長の竹中平蔵氏との対談も掲載しています。個人が自力を高めて自立し、自ら人生を切り開いていくために国や企業がサポートする「個人自立社会」へ転換していかなければなりません。国民全体の大きな意識改革が今、必要です。

『これから「働き方」はどうなるのか』内容概略紹介

【第1章:誰もが自由に誇りをもって働ける社会を目指して(南部靖之)】

一昨年のリーマンショック以降、雇用に関わるさまざまな問題が議論を呼んでいる。グローバル経済の中では、「一企業に所属する=安定」とはもういえない。個人を強くし、企業を強くし、国を強くするために、「企業依存社会」から、雇用形態による格差のない社会、つまり「個人自立社会」への転換の必要性を語る。

【第2章:制度的不均衡をなくすために(竹中平蔵)】

人口減少と高齢化が進む中で、労働を通して各人が自立する仕組みそのものが問われている。ところがいま、間違った労働政策がとられようとしている。日本の雇用問題を解決するための課題は3つ―。まずはマクロ経済を良くすること。第二に教育。第三に制度格差をなくすこと。制度的不均衡をなくす「日本版オランダ革命」の実現を訴える。

【第3章:「スマートワーキング」のすすめ(千葉商科大学学長 島田晴雄)】

日本では、「人口収縮」が急速に進んでおり、やがて深刻な「労働力不足」に直面する。非製造分野の「労働生産性の向上」と、「競争条件」が不利な人に対する「セーフティネット」がその対処法となる。市場のメカニズムを踏まえた賢い政策「スマートポリシー」と、制約条件に合わせて才能・意欲をフルにいかして働く「スマートワーキング」を提案する。

【第4章:働き方を変える「ゴールデントライアングル」仮説(元日本労働組合総連合会会長、現在国際交流基金監事 鷲尾悦也)】

ITとグローバル化による競争の激化は「人を育てる」ことにも少なからず問題を生んでいる。産業構造の変化に応じた人材教育が必要だ。「労働能力」のひとつである魅力的な「人間性」を養うためには、「働くこと」「暮らすこと」「寝ること」を大切にする「ゴールデントライアングル」と、若者の貢献を「ほめる」社会的な雰囲気の醸成が必要だ。

【第5章:雇用をめぐる諸問題(労働経済学の専門家 大阪大学教授 大竹文雄)】

非正規雇用者の主役がパートの主婦であった時代は、失職で貧困問題に直面することはなかった。ところが若い男性の場合は職を失うとただちに「貧困状態」になることが多い。それが2008年の世界不況で社会問題となった。技術革新やグローバル化を背景に、男性が非正規雇用に就くのが普通になったことを前提に、政策対応を考えていくことが重要である。

【第6章:「ソーシャル・ワーク=ライフ・バランスのすすめ」(竹中平蔵×南部靖之)】

日本の雇用問題に関心が集まっているが、「構造変化」という問題の本質をとらえず間違った政策を実行すれば、「大失業時代」がきてしまう。正しくデータを読んで冷静に判断することが重要だ。新たな国の価値、教育、社会貢献、そして働くことの意味など、日本の経済と雇用をめぐるさまざまな課題について、竹中平蔵氏と南部靖之が自由に語り合った。